税理士からのメッセージ

2025年1月号

申告書等の提出書類への収受印の廃止について

 新年あけましておめでとうございます。本年も色々な情報を提供していきたいと思っておりますので変わらぬご愛顧のほどよろしく願いいたします。
 今年の1月から税務署へ提出する申告書等(申告書、申請書、届出書などのすべての文書)の控え書類への収受印が廃止されました。これに対する今後の影響などをお伝えしていきたいと思います。
 
◇申告書等の控えへの収受印が廃止になった経緯について
 国税庁では廃止の経緯について以下のように説明しています。
 政府の【デジタル社会の実現に向けた重点計画】等を踏まえ、納税者の利便性の向上等の観点から、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」を目指し、申告書等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し(税務行政のDX)を進めているところです。
と国税庁では述べています。これは電子申告の普及率を早急に上げていきたいという思惑が感じられます。電子申告をした場合には確かに控えに提出年月日等が印字されますが、税理士等に依頼できず自身で申告書等を書面で提出をしている納税者は個人でまだ4人に1人ほどと発表されています。※R4年度現在
 
◇今後、書面提出をした場合の提出日等の確認方法
 税務署側の正本については従来通り収受印が押されるそうです。それは申告書等をいつ受け取ったのか証が必要だからです。納税者側にも同様の理由があると思うのですがそれは考慮されない様です。ただ当面の間はリーフレットと呼ばれるものに申告書等を収受した「日付」と「税務署名」を記載したものを渡して頂けるそうです。その他にも「申告書等の閲覧サービス」、「納税証明書の交付請求」などの方法により提出の有無の確認をする事が出来ます。
 
◇申告書の控えが必要となる場合
 控えが必要となるケースとして「金融機関で融資を受ける際」・「国等に対し補助金等の申請をする際」・「奨学金の申請や保育園の入園手続きの際」が考えられます。その際、国税当局は金融機関などに対して今後は収受印の押捺された控えの提示を求めないように丁寧な周知・広報に努めていく、との事です。仮に申告書等を提出したにも関わらず提出されていない等の問い合わせがあった場合には、納付状況や他の証拠書類を確認しつつ納税者などからの聴き取りを行いリーフレットと申告書等の控えを確認する事などで、原則提出があったものとして取り扱います、と公表しています。
 
 以上、今月も最後までお読みくださりありがとうございました

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